高知の旅 その3

2日目の朝。朝焼けが窓から見えたので、ちょっと撮ってみる。
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友人から沢田マンションに行くなら、沢田マンション内ギャラリーの展示が気になるからいっしょに行きたいとの連絡あり。
早寝したせいか元気がありあまっていたので速攻賛成。
朝食は食べ放題のパンとサラダ。おもにサラダを食べ放題した。紙コップに入ってるんだけど、もはや家でもこの形式でやったら美味しくなるんじゃと洗脳されるぐらい。いや、本当に野菜がさりげなく大変に美味しい。
 
沢田マンションに向かうべく高知駅で合流。
ちらりと見上げた高知駅の天井は木造だった。
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こういうのいいな。
電車に乗り込もうとすると、なんか知らんが小さな2両ぐらいの電車はおっさんですでに満ち満ちていた。向かい合わせの新幹線スタイルの席、窓際にビールの空き缶。もうすでに酒が入ってらっしゃる。この日何かがあったんだろうか?
 
そんなこんなで沢田マンションの最寄り駅に到着。今回もご多分に漏れず迷ったりしながらも歩いていくと、やがて屋上にモサモサと緑が見える、変わった形のマンションが現れた。
そう、これが「沢田マンション」。まったくの素人が次々に増築する形でつくりあげたという大型マンションだ。
実際住むこともできるし、旅行者として短期で泊まることも可能らしい。
この魅力的なアパートを画像付きで紹介したいのだが、衝撃的なことにわたしは沢田マンションの写真を一枚も撮っていなかった…。大事なところでカメラ活躍せず。内部で撮るのは住人に悪いから、あとで全体をマンション前で撮ろうとおもってたはずが忘れた…いつも、そう。
 
まず目当てのギャラリー。その日にギャラリーで展示をやっていたのは、wakotoさん。
みずみずしい色使いと可愛らしい女の子を中心としたイラスト。高知をテーマにいろいろ描かれているみたい。途中で、ドーン!とカツオ単体の絵がでてきたのがちょっと異色で、笑ってしまった…すきです。
この方の展示をみて、水彩用のキャンバスというものがあるのだとはじめて知った。
フリーペーパーとして、高知の特産物(ミレービスケットやアイスクリンなど)や名所のイラストが描かれたものがあった。これすっごくよかった。わたしもNYでこういうスケッチみたいなのしてみたい。もっと知って、もっと好きになれそう。
 
wakotoさん自体が明らかに人良さげなオーラ出してて、大変に近づきやすく、そのあとちょっとお話したりした。
ギャラリーにはコーヒーやお茶を出すスペースもあって、そこで一服することに。
wakotoさんは旦那さんの転勤で2年に1回ぐらいの頻度で各地を転々としているみたい。
その2年でその土地を味わって楽しんで、こうやって創作物として表現したりして、そうして旅するように生きていきたいというような話をしていたとおもう。次は東北あたりに転勤ならないかなーと思ったら。(その後にツイッターでのつぶやきも見たりしたから混ざってるかもしれない)
すごいストンと自分に落ちてきた。
旦那さんの転勤の意味合いがポジティブに変わるし、何より道が開けていく考え方だっておもった。
今わたしはNYにいるけど、今後も全然違う場所に移り住んで行くかもしれない。可能性はおおいにある。
でも、そのとき心のどこかに、この考え方を置いておけたら、きっとちょっと違う。何より、今の自分に作用した気がした。
 
沢田マンションをじっくり見学できたらよかったんだが、ツアーは申し込み制で、ちょうどその時はマンションの人も外に出ているらしかった。(wakotoさんは探しに行ってくれさえした…)
 
なので、我々は自分たちだけで入れそうなところぐらいまでを、住人の迷惑にならない程度で見て回ることにした。
内部構成はこんな感じ。
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屋上に菜園があったり、にわとりやウサギがいたり、途中の階に池があったり。廊下には洗濯物が干されていたり…。あと良心市(野菜や果物などが並んでてお金を入れる箱だけ置いてある)があったので、ミカンをおみやげに買った。
なかなか普通のマンションじゃ見られない光景の数々。乗らなかったけどエレベーターもすっごく味がある!
中にはハンドメイド雑貨などを始めとして色々とお店も入っているらしく、お昼を食べようかというところで、1Fに入っているらしいイタリアンのお店に入ろうとしたのだが…やってなかったー!
 
wakotoさんにもちょっと聞いてみたりしつつ、とりあえず沢田マンションを出てお昼の場所を求めてしばらく歩いてみることに。
友人がその間携帯で調べてくれて、以前に一度行ったことがあるという高知城付近のうどん屋さんに行くことになった。
結構距離があるとのことで、タクシーを捕まえようとするも、なかなか捕まらない。
 
すると、突然後ろから声をかけられた。振り向くと、ちょいワルおやじ風のおじいさん。
「どこに行くの?」
「あーっと、高知城ですー」
「観光か!もしかしてタクシーさがしてんのか。携帯で呼んだ方が早いよ。俺が呼んだろうか、よっしゃ呼んでやるよ」
怒涛の展開に感謝と若干の不信感が混じりつつも、おやじさんはタクシーをこの場所まで呼ぶ段取りをつけると、5分ぐらいで来るから!と言って、嵐のように去っていった。
疑った自分を恥じた。
(あの電話が本当につながっていたのか、という可能性もある…とタクシーが来るときまでうっすら思っていた。疑り深すぎる)
 
五分ほど待って、タクシーは無事やってきて、わたしたちは高知城付近へと向かうことができた。
(厳密に言うとおじさんが呼んだタクシーと勘ちがって、別のタクシーに乗った。後ろからもう一個来ていた…!タクシー同士の通信でことなきをえたが…すまねえ、おやじさん…!)
 
うどん屋到着。店名忘れた。年季を感じる町のひとに愛されてるうどん屋さんといった感じ。
見たことないメニューがいっぱいあって、全部美味しそうだった。
友人はタイカレーうどん(だったような)。わたしは野菜天のうどんにした。
超うまかった。超うまかった。これが近所にあったら、ものすっごいヘビロテするのにとおもった。うどんウエストはNYにもあるけども!
夏は夏で冷やしうどんがたまらなく美味しそうだ、という話をした。
 
お店を出た我々は、最後に高知城に向かった。今だけ普段は閉じられている門が開いて、梅が見られる期間らしい。もう明日には見れない、みたいな期間限定具合で、わたしは非常にラッキーだった。
やっぱりこの旅中、わたしはついている気がする。
 
空港行きのバスの時間も迫っていたので、ふたり、わりと早足で歩く。
だが、この高知の梅が見れて本当に良かった。
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青空に梅のピンクがとても映える。
幹もピンクだったり、緑色だったり、結構種類によって違うんだなと発見があった。わあ!って心が跳ねて1センチ上がったまま下がらないような、そんな光景だった。
 
梅を堪能すると、いよいよ高知の旅もおしまいへ
わたしたちは高知城の階段を下り、高知駅に向かって歩き出した。
意外と遠く、余裕がある時間ではなくて、ぎりぎりに着く方にはなってしまったが、どうにかバスにも間に合う。
待ち時間でお土産を買って、友人に別れを告げ、バスに乗車!
 
さあ、あとは東京に戻るだけ☆
 
そう思っていた時代がわたしにもありました。
 
順調に運行していたバスが、なんと空港まであとわずかの位置で、まったく原因不明の渋滞に陥る。運転手も困惑。
もともとぎりぎり到着だった時間は、もう余裕がまったくない。ノンストップ冷や汗。
空港に電話をして、なんとかぎりぎりまで対応してくれることになった。
運転手が「本当にあとちょっとなんで、降りて走った方が早いかもしれません」というので、わたしともう一人近くに座っていた女性はバスを降り走ることにした。
しかし、すぐ息が乱れる。辛い。あと全然遠いよ、運転手さん!
そして、残念というべきか幸いというべきか、なんとバスが追いついてわたしたちを再び拾うという事態…
無意味な走りをしたことで、体力どころか、精神的にもダメージを受ける。
バスが空港に到着するやいなや、またカウンターまで走った。
あきらめたら、そこで試合終了だよ、BY安西…
 
結果、なんと間に合わなかった。
運、使い果たしてた…!!!!!
 
時計を見ると、まだわずかに時間があり、先程一緒に走った女性はオンラインチェックインをすでに済ませていたおかげで、無事通過して行った
「どうしてもだめでしょうか…」
と、土下座ですがるモードになりかける。
が、どうやら2時間後の次の便に空きがあるそうで振り替えてくれるとのこと。
深く頭を下げて、よろよろとベンチへ。
 
初めて飛行機に乗り損ねた。そんなことになるやつの気がしれないと思っていたが、気がしれた。
でも、もはやそれもどうでもいいぐらいに、体が恐ろしく疲弊していた。
走ってはいけないのだ。ちょっとの距離でも走ってはいけないのだ!!
実感として、痛いほど、それがわかった…
疲れを癒すため喫茶店に入って、アイスコーヒーと美味しそうなデザートを食べて、HP回復を試みる。やくそうぐらい回復した。
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そして、2時間後、今度こそ東京に向かって飛び立った。
空港から友人宅に向かい、泊まり、翌昼また友人に会い、果てに夜に同期会…というところまでがこの週末詰め込み旅行だったのだが、高知編ということで、ここで終わりたい)
盛りだくさんの2日間だった。
友人よ、会ってくれて色々してくれてありがとうね。また。
 
最後に、この高知の友人の紹介を。友人は普段はデザイナーとして働いてるんだが、ドライフラワーでリースをつくっていて、商品として雑貨屋さんに置いてもらったりもしている。
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正月にもらったこれ(ナンキンハゼという可愛い実がついている)と、NYに来る時にくれたミモザのリースは宝である。
友人のサイトはこちら「FLOWER DRAWER」。
大事なひとへの贈り物に、すごくよいとおもう。嬉しいので!
 
というところで、この長すぎる日記を終わりたいとおもいます。
 
〜高知の旅 おしまい〜