バーガー日和

ちょいと前のことだが、いつかかこうと思ってたのでメモ。

英会話でスージー先生にあたったとき、バスは乗ったことあるかと聞かれた。間違って違うところにいっちゃったらどうしようと怖くて乗ったことない、と答えたら、「ベリーイージー!」と強く言われた。

英会話に来る日本のひとは、みんなバスをやたら怖がって乗りたがらない。でも、怖がるようなもんじゃないのよ!と。

説明によると、ニューヨークのバスは日本のバスと違うっぽい。日本のバスは、ときにくねくねと道を左折右折しながら、目的地に向かっていくと思うんだが、どうやらここのバスは、まっすぐしか行かないらしい。

ニューヨークの街が碁盤のようになっているというのは、前書いたと思う。

つまり街がマス目上になっている。縦の道と、横の道が、交差して出来ている。

バスは、この縦なら縦、横なら横にしか行かないらしい。南から北へ、北から南へ。西から東へ、東から西へ。

そういったバスが、通りごとに運行してるのだと。

とっても簡単でしょう、とスージー先生は言う。確かに間違うとかそういうのは一切なさそう。しかも、電車は地下鉄だから外の景色が見れないが、バスなら乗りながら観光もできる。たとえ間違ってもすぐ下りればいい。なぜなら通りの看板(たとえば42th street、3rd avenueなど)は必ず出ているから、いつでも確認することができるのだ。

どうやら、乗るのに必要なお金も、電車と同じメトロカードを入れるだけでいいらしい。先生はしかもやって見せてくれる。カードは縦にこうして、この向きで、下に下ろす、という懇切丁寧な説明つき。

「わからないから不安でできない」というひとの、「わからない」をとっていって、「ほら、できるような気持ちになってきたでしょ」ということを言いたいのだ。

(実際、わかんなくてもチャレンジ精神旺盛なひとはそのままいける。やらないひとは、ただただわからないことが頭の中で本当のこと以上の大きさになってて、怖いんだ。それをきっと適正サイズにしてくれてる)

わたしもだんだんちょっとできそうな、やってみたい気持ちになってきた。

そのとき、ふとこちらで出来た友人がまさにそのチャレンジ精神旺盛なタイプで、バスにガンガン乗ってたのを思い出して、なんとなくそれが言いたくなった。

「友人はバスによく乗っている。彼女は…えーと…ブレイバー!(勇敢だ)」

と言ったら、先生が「勇気は別にいらないのよ!」と強めの反応を見せたので、びっくりした。

「勇気は別にいらなくて、普通にできることなのよ」と。

なんかこの時、わたしの人のことスゴイって言うの、無意識に、自分との線を引くのに使ってしまってるんだとしたら、あんまよくないな、と思ってしまった。

(それまで、大小かかわらず誰かのすごいと思うところをすごいと言うのは、ただ単純に自分のいいとこだと思ってた)

そして、おすすめのバーガー屋さん「SHAKE SHACK」を教えてくれて、この学校のすぐ近くのバス停から乗ればつけるから、今日この後行って来たらどう?と背中を押してくれた。今度会ったときに感想を聞かせて、と。

そして英会話が終わった後、どうしようか日を改めようかとも一瞬ひよったけど、結局行くことにした。

英会話のあと、わたしはいつものわたしより少し積極的になる。多分これも慣性の法則的な感じで、「しゃべれた!」とテンションがあがったままがしばらく続いて、色々なハードルが少し下がる。この時に行っちゃったほうがよいなあと思ったのだ。

グーグルマップで一応経路確認して、バス停で待つ。

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やってきた!メトロカードを前の人が入れるさまを観察しながら、なるほど、とさっきの先生の説明を理解する。なんなくクリア。

バスの中は少しすいていた。こわいことはなかった。窓際の席で、外を眺めると、バスはまっすぐに進んでいく。通りすぎてしまわないように、今何アベニューにいるのか確認しつつ、いつもより高い目線で街を、ひとびとを見た。確かにこういうのは、地下鉄よりもいいなあ。

そして、目的の場所で下りて、またマップを見ながら数分歩いたところで発見した。

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人気店なようで結構列がついていたが、バーガー店なので回転も速く、10分ほどでメニューオーダーできた。

並んでいる間にメニューの紙もらったので、定番のシャックバーガーと、ストロベリーシェイクを頼むことに。

写真撮るの忘れちゃったんだが、オーダー終わった後に、トランシーバーみたいな小型の電子機器を渡されて、どうやら料理が出来たらどうにかなるらしいことはわかってドキドキ待ってたら、すごい激しく緑の点滅を始めて、めちゃめちゃ焦った。ウルトラマンの時間切れのときに光る並みの切迫感を感じた。

無事、食べ物を手に入れて、近くに公園はないかとグーグルマップでまた調べて、ちょうどいいところにあったので行こうとしたら、なんということでしょう、アパートの住民専用の公園みたいな感じで入れなかった…。

マップを見る限り、ほかにちょうどよさそうなところがなかったので、地下鉄乗ってセントラルパークまで移動した。

(さすがにもうバスに乗る気ない)

良さげな芝生を探して座り込む。

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シェイクは道すがら飲んでたんだが、今まで飲んだシェイクで一番美味しかった。気持ち的に頑張った分もあったかもだが。

そして、バーガー。

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ちょっと冷めてたけど、美味しかった。マックとは違う手作りっぽいハンバーグの味がする。(とかいって、だいたい同じかもしれん)

小さいのですぐ食べおわる。

こっちで食べるバーガーで、日本にいたとき想像したような超ラージサイズのバーガーをまだ見たことがない。やっぱ店によるのかな。

ゴロンと寝転んで、この日はとても気持ちがよかった。ちょっと暑いけど、こういうのはいいなあ。


勇気なくても確かにできるな。勇気じゃなくて、ちょっとした思い切りでいいのか。

「いってみっか」ぐらいの。


<おまけ>

充実感とともに帰路へ。しかし、家に帰ってから、わたしはソファーに突っ伏したまま動けなくなり、意識が夢と現を行き来した…喉が渇いて、水を飲んでも飲み足りず、体が熱い。

ツイッターでつぶやいたら同時多発的に「熱中症?」と言われて、あ、そうかこれが熱中症というやつか、と納得した。

暑い中ウロウロしてたからな…

首に濡らしたタオルまいて、お茶を飲みまくって、その日は店じまい気分であった。

ポカリの粉、どこかで買いたいな。売ってるかな。