ジュリアン先生

これも英会話の先生の話。

昨日の先生は初めて会うひとで、35歳ぐらいのもさっとした黒髪のメガネの兄さんだった。
名前をジュリアンという。
ちょっと脱力ぎみの兄さんなんだが、この人に会って、わたしは今までにない感覚をおぼえた。

彼がしゃべったことの大体8割は冗談だった。
あまりにくだらなすぎて、ほぼおぼえてないんだが、クネクネしたり、ゾロというヒーローのマネをしながら採点したり(鞭をしならせるように)、多少の日本語を用いたり「イケテナイ」「イケテル」「アイムノットハゲ」、すごいどうでもいいことを言い出したり「僕の鼻の穴はウサギのように小さい」、反応に困ってわたしが言葉を失うと、「ソーリー。ぼくは時々クレイジーになるんだ」と言って、謝った。

わたしは、ずっとふつーに笑っていた。
このひと、なんか日本人みたいだなーーーーっておもった。
それは、ちょっと正しくない。
この人といると、外国にいる気がしなかった。

スージー先生も大好きだけど、なんか本に出てくるような非常にできた人間だな、という感じで尊敬の念が強かった。
相棒の右京先生の真似をできるぐらいに日本のドラマが好きなトロイ先生はアメリカ人にもこんなひといるんだなーとおもったし、スティーブ先生はなんてイケメンではにかむと可愛いんだろうと思っていた。自分のバスケ姿はアグリーだと照れる姿には非常に萌えるものがあった。
でも、ジュリアン先生はバカバカしくて、冗談も冗談で、アメリカンジョークとかそういう境界も感じなくて、ただただあの人は変でおもしろかった。
なんなんだろう。
たぶん、なんだかとっても近く感じたんだ。

あと、個人的に、彼がスージー先生までネタにしてたのも、なんだか新鮮でおもしろかった。
「スージーならこんなこと言わないだろうね。僕は猫背。スージーはこう。(やたらピシッと背筋を伸ばす)それから、こう!(やたら高い声でしゃべりはじめる)」
わたしの中で尊敬一色だった先生がネタにされてるもなんだかおかしくて吹いた。
なんかスージー先生の位置がちょっとおりて来たような気がして、それはわたしには良かった気がする。

あと授業も、おもしろかった。ちゃんと先生だった。
教える部分は発音に特化してる。今までに知らない発音のコツを教えてもらった。
日本人の英語は一文が単語単語で切れてしまってるけど、本当は海の波のように一つの流れでしゃべるんだよ、とか、そうして語と語がくっつくときにどう発音が変わるのか、とかを教えてくれた。
ちなみに、こっちはdreamをドリームじゃなくてジュリームっていうらしい。
drはjrの発音に変わるんだと…。

教えてもらったダコタハウスに今度行って、感想を伝えるよと言って、その日の授業はおわった。

ただ単純に、友達になりたい感じの好きをはじめて感じたのかもしれない。