高知の旅 その1

2/27〜2/28で高知に行った。
観光目当てではなくて、高知に住む友人に会えたらいいやという気持ちだった。
金曜昼12時ぐらいの便で、1時間ちょっと乗ったらもう高知。
お金さえあれば世界はもうだいぶ近くなっている。
 
友人は働いているので、合流できるだろう夜までぶらぶらしてようかと思っていたけれど、大変恐縮なことに友人は会社を早引けしてくれるらしく、途中で合流できることになった。
 
合流するまでのこと。
まず高知空港からバスに乗って、高知駅周辺まで出た。
このバスは本数が少なく、乗り遅れたらだいぶ待たねばならない。ぎりぎり飛び乗れてほっと一安心…と思いきゃ、車内で切符をなくし足元に落ちてたのを隣のおじさんに拾ってもらったりした。うかつ。
 
30分ほど揺られると、もともとヤシの木があるなあるなーとおもってたけど、なおいっそうのヤシの木に包まれる。
何を言っているのかというと、街路樹がヤシの木なのである。南国。
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友人がかいてくれた地図と、Googleマップを頼りに、ホテルを目指す。
何本か通りを間違ったりもしながら到着。

実は前にもここに泊まったことがある。高知に来たのは二度目なのだ。
そのときは友人と来たのだけど、なんと二つの部屋が中でつながっている部屋に泊まった。新しいー!ルームシェア感!と思った記憶が。
あと、朝食のパンとサラダが大変に美味しく食べ放題なので食べまくった記憶。
 
今度の部屋はレイトチェックアウトのひとり部屋(そりゃそうだ)で、昼12時までに出ればいいそうなので、翌日はだるかったらはるばる来たにも関わらず寝る予定。
荷物を置いて出る。
 
「よさげなカフェか沢田マンション(※後述)に行って、あとはいっしょに夜ご飯を食べれたら満足」
というのがわたしの希望だったのだが、友人がおすすめカフェも教えてくれた。
その名は「terzo tempo」。
 
ホテルから15分ほど(いや、20分?)歩く。
大変恐縮ながらすごい不安になる位置にあった。えんえんと続く一般家屋を横目に、一生たどり着けないんじゃないかと思ったころに突然現れた。
最初戸の開け方がわからなくて、入り口の前で右往左往している、ただの変なひとになる。
 
中に入ると、感じのよさそうなマスターのお兄さんと常連っぽいお兄さんがカウンターで仲良さげに話していた。客は他にあと2組ほど。
客とマスターの距離が近いお店だ…!!期待されうるパフォーマンスが果たせないどうしよう!!(そんなものない)と、しょっぱなから妙な汗をかきながら、壁際のカウンターに座る。
こういうときに、端っこ族の血が騒ぐ…。
 
お昼どきだったのでお腹が空いていたが、ジャストミートでカレーライスが売り切れたらしかった。OH…。
デザートよりもしょっぱい系がよかったので、クロックムッシュとアイスコーヒーを頼んだ。高知は暖かいどころかちょっと暑くさえあった…。(真冬ルックのまま来た)
 
しばらく待っているうちに、ちょっとボケた風のおばあちゃんが入ってきた。「こんにちはー」とお客さん同士でも親しげに話していて、ああ常連さんなんだなあとぼんやり話を聞いた。夫婦が携帯で赤ちゃんだか子どもの写真を見せているらしく、「かわいいねー」と言っていた。そして、出て行った。
 
そんなこんなしてるうちに待望のクロックムッシュが現れた。
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無知なわたしはそもそもクロックムッシュをよく知らず、とろけるチーズを上に乗っけて焼いたパンのことかーとおもって食べたら、なんだかすごく世界のクロックムッシュに謝罪したくなった。ひときわ、この店のクロックムッシュに。
おまけにマーマレードの皮?っぽいのが入っていて、しょっぱい中に甘いんです。しょっぱい中に、甘いんです…。(大事なことなので二度言いました)
 
幸せを味わううち、だんだんこの店にも慣れて来た。
最初はキョロキョロすらできなかったんだけど、おそるおそる店内を見回し始めた。
木の温かみを基調とした店内で、照明は吊るされた裸天球。ドライフラワー、本棚(いろいろ味がある本が詰まってそう)と、CDを並べた棚、フライヤーなどが色々置かれたテーブル。
素朴であたたかい。
 
店内を流れる音楽も素敵だった。
このゆったりとした、時間の流れが緩やかな雰囲気を作り出しているのは音楽の働きが大きいかもしれない。
すなわちこのCDを購入したら、NYの自宅でもこのような空間を作り出せるのでは!?と思い立ち、「これってどなたの曲ですか?」と聞こうかどうしようか迷っていたら、マスターのお兄さんに話しかけられた。
「なんか気になるCDあったら、流しますよ〜」と。
 み、見透かされた!?
ドキドキしながら今流れてるのは誰の曲かを聞いた。すると、マスターのお兄さんは「古川麦」というひとの曲ですよと教えてくれた後に、今度ライブもあるからぜひ、など教えてくれた。(最初は高知のひとだと思われていた)
「よかったら、別のひとと組んでこんなアルバムも出してるんで聞いてください」って言って、別のCDに入れ替えてくれたりもした。
 
そこから微妙にマスターさんとの会話がはじまった。
わたしは日本に戻って来て「話しすぎる」と「話さなすぎる」の間をいったり来たりしてたんだけど、それまで「話さなすぎ」た反動で、今度は「話しすぎ」始めた。
今一時帰国でここにいること。NYに住んでること。友達に会いに高知に来たこと。
そしたら常連さんも混じって、NYの話になった。
「ふだん何を食べてるんですか?」と聞かれて、「毎晩和食をつくって食べてます」とまったく期待に沿わない答えをしたり、太っている人が多いのかという質問に、すごい極端に分かれている&上半身スッキリ下半身ドーン!!のひとがいるとか言ったりした。
マスターのお兄さんは過去に行ったことがあるらしく、ベジタリアンの人とかも多いんだよねーなど色々話を広げてくれた。
だんだん嬉しくなってきて、「このお店、その高知に移住した友人が教えてくれたんですよー」と言ったら、「誰?」と聞かれて若干動揺した。
えっ、名前言ってもわかんなくね…?という。
しかしおそるおそる名前を告げると、なんと友人を知っていた…!!⚪︎⚪︎ちゃんかー、と。
友人がドライフラワーでリースをつくっていることなども知っていた。
そんな親しい感じだとは知らなかったので驚き。
 
そんなこんなでCDを結局1枚購入して店を出た。
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思いがけぬ交流にドキドキしたけど、結果ホクホクした。
 
その2につづく